胃癌(胃ガン)を知る
胃がんは胃粘膜の表面組織ががん細胞化して起こる病気で、胃の病気の中でも最も危険な病気であるといえます。日本は、世界的に見て胃がんの多発している地域の一つに含まれています。
胃ガンの主な症状
胃がんを発病すると、胃潰瘍や胃もたれといった胃の病気に酷似した症状が現れます。例えば、消化不良や食欲不振、胃痛や胸焼け、腹部の膨満感や吐き気といった症状があります。胃がんが進行すると吐血や貧血、黒色便などの胃内部での出血を原因とする症状が現れるようになってきます。
進行の早いスキルス胃癌
胃がんの中でも、進行が早いのがスキルス胃がんです。スキルス胃がんは通常の胃がんとは違い、粘膜の内側の組織ががん細胞化するため自覚症状が出にくく、若い人にも発病することがあるという特徴を持っています。「スキルス」とは「硬い」という意味で、進行していくと粘膜全体が硬化してしまう病状から名づけられています。テレビタレントやスポーツ選手の中にもスキルス胃がんを発病し命を落とした方は多く、逸見政孝さんなどが挙げられます。スキルス胃がんは進行が早く、自覚症状が出る頃には胃全体に浸潤していることも多く、手術後の五年生存率は20%以下といわれています。
胃ガンの原因とは
「胃がん」は、慢性的な胃炎や胃潰瘍が変化して発病するといわれています。がん細胞は、細胞の再生時に設計図である遺伝子が損傷している場合に発生しやすいと言われていて、胃炎などで傷ついている胃粘膜はがん細胞化しやすいようです。また、塩分を多量に摂取していると胃がんのリスクが高まるというデータもあります。
胃がんとピロリ菌の関係
最近注目されているのが、ピロリ菌と胃がん発病の関係です。ピロリ菌は胃の内部に生息する細菌で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの胃腸の病気を引き起こすことで知られています。最近の研究ではこのピロリ菌の中に、がん発病のリスクを高める遺伝子を注入する力を持った「超悪玉」が存在していることが明らかになっています。また、ピロリ菌を除去することで胃がんの再発リスクが大きく低減することもわかってきています。
胃がんの進度
胃がんを含むがんの進行は、4つのステージに分かれます。
ステージ1
胃癌のステージ1は、がん細胞が胃粘膜表面にのみ認められリンパ節への進行が無い状態です。この時点で発見・切除できれば五年生存率は90%を越えます。
ステージ2
胃癌のステージ2では、がん細胞がリンパ節や胃壁まで進行している状態です。ステージ2以降は、胃の切除手術が行われるようになります。
ステージ3
胃癌のステージ3は、がん細胞が胃のみならず周辺の臓器にまで進行を始めている状態です。全摘出を含めた胃の切除に加え、抗がん剤の投与による化学療法が併用されるようになります。
ステージ4
ステージ4は周辺の臓器への転移やリンパ節を通しての遠隔転移が認められる状態です。いわゆる末期がんの状態で、手術後の5年生存率は10%を切ってしまいます。
胃ガンと闘うためには
胃がんをはじめとするがんの闘病は、いわば時間との闘いです。早く発見できれば、患者に残される時間も長く出来ます。発見が遅れれば、それだけ患者に残される時間を短くしてしまいます。
胃ガンの早期発見のためには
胃がんを早期発見するためには、定期的な健康診断が重要になってきます。胃がんの早期発見にはX線撮影検査や内視鏡検査が効果的ですが、スキルス胃がんはその性質上内視鏡検査では発見できません。スキルス胃がんは進行すると胃が硬化して収縮するので、X線撮影で発見できることがあります。
胃ガンを防ぐためには
医学の進歩で、胃がんは決して怖い病気ではなくなってきているといえます。しかし、完全に治せる病気になったとも言えないのです。がんの発病を防ぐには、発がんリスクの高い行為を見直すことが重要であるといえます。食生活の見直しや、ストレスの発散による胃の保護など、がん防止のために出来ることはたくさんあるのです。
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